破産法改正と民法理論

実は関係することもあります。

内田貴『民法Ⅲ 債権総論・担保物権』(東京大学出版会・2006年)312頁
「改正破産法は、一部の債権者に対する優先的な弁済行為(偏頗行為と呼ばれる)につき、支払不能に陥る前は否認の対象にしないとしていない(破産162条)。支払不能とは、債務者が支払能力の欠乏のために弁済期にある債務を一般的かつ継続的に弁済できない状態(破産2条11項)であり、破産手続の開始原因である(破産15条)。弁済行為について、破産の局面で機能する否認権より債権者取消権による取消しが広く認められるというのはバランスを失する。そこで、破産法との整合性を考慮し、弁済期にある債務の弁済行為は詐害行為に当たらないと解するのが妥当ではないかと思われる(弁済の効果を否定したければ破産手続によるべきである)」

その他、森田修『債権回収法講義』(有斐閣・2006年)61頁以下、潮見佳男『法律学の森 債権総論Ⅱ[第3版]』(信山社・2005年)144頁も参照して下さい。

「本旨弁済に対して、詐害行為取消権の行使を認めているのが判例の立場である」という選択肢があれば、マルになるでしょうが、詐害行為取消権認めたケースは極限的な場合であることも忘れてはならないと考えます。

破産法との整合性を考えれば、内田教授の見解も一理ありますが、私自身は結論を留保しています。
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by meronpanss | 2006-10-28 15:35
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