賃貸借契約における信頼関係破壊の法理

渡辺達徳『民法 渡辺道場』(日本評論社、2005年)275頁
https://sslserver.sbs-serv.net/nippyo/books/bookinfo.asp?No=2659
「判例が『信頼関係』破壊それ自体を解除事由とはしていないとである。むしろ、賃借人に何らかの債務不履行(賃料不払い、用法違反、特約違反)があり、それを通じて『信頼関係』が破壊されていることが解除事由となるものと解している。したがって、解除の根拠条文は541条であり(「当事者の一方がその債務を履行しない場合」)、その上で、信頼関係が破壊されていると判断されるときは、解約告知が可能となり、その際、将来に向けた契約の継続を前提とする『催告』は必要としない、という構成が採られているものといえよう。このことは、例えば、賃借人から、賃借人か何ら『債務不履行』を犯しているものではないが、賃貸人にとって好ましくない政治的・宗教的信条を持ち、それゆえ『信頼関係』が破壊されているとして賃貸人が契約を解除することはできるか、といった問題への対応において、結論に差異をもたらす可能性を持つであろう」

同書の266頁以下で、賃貸借契約における信頼関係破壊理論について、詳細に、わかりやすく解説している。一読されることをおすすめする。
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by meronpanss | 2006-05-14 20:34
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