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調査官解説と闘う

山本克己・法学教室283号79頁
「調査官解説について説明しておくと、最高裁裁判例のうち、最高裁判所判例集(民集または刑集)に掲載されたものについては、月刊誌である法曹時報(「曹時」と略)に、当該裁判例を担当した最高裁調査官の解説が公表される。そして、この解説は、年度ごとに、民事篇と刑事篇に分けて、法曹会から刊行される『最高裁判所判例解説○事△△年度』」(最判解○事篇△△年度)と略)と題する書物にまとめられる。最高裁裁判例の理解にとって、担当調査官の解説を一読することは必須であるので、図書館等で参照されたい
※強調はGakによるもの。

通学校LSのある先生が、調査官解説の重要性を説いたので、判例を調べるに当たって、調査官解説を読む人が周囲で増えてきた。調査官解説は、最高裁判例を知るのに、やはり重要のように思える。学者でそれを否定する人も(そんなに)いないだろう。

しかし、調査官解説を全く批判の対象とせずに、金科玉条のように読むのも、あまり好ましくはないだろう。ただ、一介の学部生やLS生では、調査官解説を批判的に読むことはなかなか難しいと思われる(自分を含め、学生の判例に対する疑問は、単なる思いこみであることが多い)。
そういうときこそ、法学者による判例批評の役割だろう。調査官解説の重要性を認識しつつも、調査官解説を批判的に検討することが、学者に求められていると思われる。
by meronpanss | 2005-10-23 18:42
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