伊丹十三の名作が復刊。さっそく読んでみる。
伊丹十三『ヨーロッパ退屈日記』(新潮文庫、2005年)96頁 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101167311/qid=1111945922/sr=8-1/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/249-4100001-6297160 「ホーム・シックというものがある。これは一時、人生から降りてくる状態である。今のこの生活は、仮の生活である、という気持ち。日本に帰った時にこそ、本当の生活が始まるのだ、という気持ちである。 勇気を奮い起こさねばならぬのは、この時である。人生から降りてはいけないのだ。成程言葉が不自由であるかも知れぬ。孤独であるかも知れぬ。しかし、それを仮の生活だといい逃れてしまってはいけない。 それが現実であると受け止めた時に、外国生活は、初めて意味を持ってくる、と思われるのです」 以上のことは、決して長期の外国旅行・留学だけに当てはまるものではない。人生そのものに対する哲学にも当てはまると思う。 真面目な人ほど、自分の「今」を否定しようとする。「今の自分は本当の自分ではない」と思っている人も少なくないだろう(それが、フリーター(無職者)の増加をまねていると言っても過言ではない)。 しかし、だからといって、「人生を降りてはいけない」のである。逃げてはいけないのである。現実を直視し、「今」を大切にすることが、本当は肝要なのである。
by meronpanss
| 2005-03-28 02:57
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