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テキストの好みと人間の好み

意外なことに、通学校では内田貴先生のテキストの評判が今ひとつ。あのくどい表現や、ひとつの問題をグタグダ書く表現、親切すぎる記述がうざがられているようだ。

逆に、あっさりとした記述の本が評判がいい。民法総則に限っていえば、四宮・能見先生の本(実質は能見先生の本)(http://www.koubundou.co.jp/books/pages/kbn0084.html)が評判がいい。

私なんぞは内田先生の表現の仕方はむしろ好きである。学部時代からあの本である(まあ、私の時代は、あの本ぐらいしかなかったのだが)。民法の全体像はあの本で理解した。自分が民法に興味を持ったのは、あの本のおかげである。

もちろん、内田先生と私とでは考え方が違うところはある。例えば、瑕疵担保責任について、内田先生は契約責任説をとるが、私はまだ踏み切れない(といっても、法定責任説でいいんだー、とまでも言い切れない。なお、判例が法定責任説、との理解は不正確なので注意のこと(もちろん、契約責任説でもない)。詳しくは塩釜声の新聞社事件の最高裁判決を読まれたい)。

各人のテキストの好みを見ていると、人間の好み・相性に似通っているような気がしないでもない。あっさりした記述を好む人は、あっさりした人間と相性があったり、好んだりするんだろう。そう考えると、ひとつのことにグダグダこだわったり、くどい表現をする私はうざがられているのかもしれない(そんな私だから、内田先生のテキストを好むのかもしれない)。

一抹の寂しさを感じた1日であった。
by meronpanss | 2004-09-14 17:12
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