冷凍精子・認知訴訟最高裁判決

注目の事件の、最高裁判決である。
「生命倫理と法」、「家族法」に関心のある方は、必読である。
認知請求を認めた高裁判決を破棄、自判。

事件番号 平成16(受)1748
事件名 認知請求事件
裁判年月日 平成18年09月04日
法廷名 最高裁判所第二小法廷
裁判種別 判決
結果 破棄自判
判例集巻・号・頁

原審裁判所名 高松高等裁判所
原審事件番号 平成15(ネ)497
原審裁判年月日 平成16年07月16日

判示事項
裁判要旨 保存された男性の精子を用いて当該男性の死亡後に行われた人工生殖により女性が懐胎し出産した子と当該男性との間に,認知による法律上の親子関係の形成は認められない
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20060904164054.pdf
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# by meronpanss | 2006-09-04 19:14

堀江被告初公判

堀江被告「起訴は心外」、検察冒陳は主導的役割を指摘 (NIKKEI NET。日経新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060904AT1G0400U04092006.html

注目される裁判である。
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# by meronpanss | 2006-09-04 15:31

関西刑法学の課題・その2

みなさま、おはようございます。

関西刑法学の課題」は私が日頃思っていたことを、とりとめもなく書きました。

また、shoyaさんのblogの「『絶滅』する学説?」という記事で、ご紹介を頂きました。

「関西刑法学は重大な危機」を迎えているというのは、いささか過激な表現だったかもしれません。刑法専攻でもない私が、このようなことを書いたのはいささか生意気と思われる方もいらっしゃったと思います。繰り返しますが、これは関西刑法学の理論に致命的な問題があるとかという問題ではありません。

それでも、予断を許さない状況であることは、やはり変わりないと思っています。特に、最近は刑事法分野の立法がさかんですから、まっとうな解釈論を、論文を通じて地道に展開するよりも、いかにして立法に食い込むかが自説の普及になると言う事態が一部であるような気がします。
(実は民事法分野も同じです。新会社法の立法は解釈の美しさではなく、いかにして立法に食い込めたかが学者間の格差を生んでいます)

私としては、関東の刑法学と関西の刑法学における議論がより進んでいって欲しいと思います(昔はあったようです。今は知りません)。他の人はどう思っているか分かりませんが、異なった学説が対話・議論をすることが、その学問の発展につながると思っています。反対説を知ること、反対説からの指摘を知ることを通じて、実は自説の理解を深めると「私は」思っています(これは私の少数説でしょうか)。

その意味で、「関西刑法学の危機」というのは、「刑法学の危機」でもあると思っています。
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# by meronpanss | 2006-09-04 07:50

よくありそうなケース

最新判決ではない(ただし、LEX/DB未登載)。
町村先生のblogを通じて知った。

保育所への入所を求める訴訟である。
仮の義務づけ訴訟の典型例になるのではないか。

事件番号 平成17(行ク)277
事件名 仮の義務付け
裁判年月日 平成18年01月25日
裁判所名 東京地方裁判所
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20060901113506.pdf

行政事件訴訟法37条の5
(仮の義務付け及び仮の差止め)
1 義務付けの訴えの提起があつた場合において、その義務付けの訴えに係る処分又は裁決がされないことにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があり、かつ、本案について理由があるとみえるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもつて、仮に行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずること(以下この条において「仮の義務付け」という。)ができる。
2  差止めの訴えの提起があつた場合において、その差止めの訴えに係る処分又は裁決がされることにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があり、かつ、本案について理由があるとみえるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもつて、仮に行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずること(以下この条において「仮の差止め」という。)ができる。
3  仮の義務付け又は仮の差止めは、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるときは、することができない。
4  第二十五条第五項から第八項まで、第二十六条から第二十八条まで及び第三十三条第一項の規定は、仮の義務付け又は仮の差止めに関する事項について準用する。
5  前項において準用する第二十五条第七項の即時抗告についての裁判又は前項において準用する第二十六条第一項の決定により仮の義務付けの決定が取り消されたときは、当該行政庁は、当該仮の義務付けの決定に基づいてした処分又は裁決を取り消さなければならない。

蛇足
行政事件訴訟法の条文はよく読むことが大切だと考える。当たり前だが。
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# by meronpanss | 2006-09-03 12:19

関西刑法学の課題

佐伯千仭先生の死去は、関西刑法学にとって大きなニュースであった。
これをきっかけに、関西刑法学の課題について考えたい。

結論から言えば、関西刑法学は重大な危機を迎えていると「私は」思っている。
それは理論がおかしいからではない。理論の当否は私には正直分からない。
それでは、なぜ危機かと言うと、実務家、そして未来の実務家である新司法試験受験生・法科大学院生が、関西刑法学に関心を示さなくなっているからである。

これは政策と選挙の関係に似ている。
どんなに政策(内容)が良くても、選挙で勝たなければ政策は実現できない。
理論も同じで、理論の中身は重要であるが、それを実務家や将来の実務家である受験生が読まなくなれば、その理論は影響力を保てない。

理論的におかしいと指摘されつつも、前田理論が実務に影響があるのは、言うまでもなくその普及度である。前田先生のテキストが改訂されたと聞けば、刑事実務をやっている実務家は必ず買うし、かつ、受験生の多くが購入する。

また、立法への影響も新たに考える必要がある。
会社法の立法を見ていれば分かるように、キャスティングボートを握ることも、1つの課題である。
現在、関西刑法学は立法への影響を全く有していない。共謀罪立法、重罰化いずれも多くの関西刑法学の研究者が反対したにも関わらず、法務当局は何ら耳を貸さなかった。
(むしろ、「酒の場での冗談が共謀罪として問われる」という問題の本質ではない批判の方を、法務当局は受け入れている)

「学者は理論が全て。そんな受験生への妥協とか、立法への影響力など考える必要はない」
というのも1つの答えであろう。
しかし、それでは「トキ」ではないが、絶滅してしまう。絶滅してからでは遅いのである。

※注意。ここで言う「関西刑法学」とは、佐伯→中山→浅田・松宮(敬称略)のラインを言う。大谷刑法学ではない(関西にいると分かるが、大谷刑法学は、理論的には別系統てある)。しかし、「関西刑法学と言えば大谷刑法学」と多くの受験生が思われていいる事態そのものが、関西刑法学の危機なのである。
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# by meronpanss | 2006-09-02 17:28

佐伯千仭先生の訃報

また、1つの時代の終わりを告げられた気がする。

滝川事件で抗議辞職・東京裁判弁護団の佐伯千仭氏死去(YOMIURI ONLINE。読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060901i516.htm

松宮先生の刑法の授業で、松宮先生が
「佐伯先生は・・・」
とおっしゃていたとき、私は「東大の」佐伯(仁志)先生だとてっきり思っていた。

その後関西にて刑法を勉強してきたわけであるが、佐伯理論がいかに影響力を有していたかをつくづく実感した。
最近も、「原因において自由な行為」を勉強したとき、佐伯理論の影響力の大きさ、奥行きの深さに(良い意味で)衝撃を受けた。
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# by meronpanss | 2006-09-02 01:35

弘文堂新刊案内

注目すべき書物が多数並ぶ。

近刊案内(弘文堂ホームページ)
http://www.koubundou.co.jp/books/kinkan.html

注目されるのは、以下の数冊であろう。
佐藤英明『プレップ租税法(プレップ・シリーズ)』
http://www.koubundou.co.jp/books/pages/kbn2426.html
租税法の入門に便利。

山口厚編著
今井猛嘉=橋爪隆=髙山佳奈子=島田聡一郎=小林憲太郎=深町晋也=和田俊憲
『ケース&プロブレム刑法各論』
http://www.koubundou.co.jp/books/pages/kbn2273.html
総論を持っているが、総論を読んだ限りでは、解説もついており、ケースブックの中では割と親切な1冊。自習用にも使えるかもしれない。
ただし、総論では著者に入っていた山口厚教授が、各論では外れている点に注意。
ご指摘を受け、訂正します。どうやら、各論も編著者に山口厚先生は入っているようです。

伊藤 真=監修/伊藤塾=著『商法・手形法小切手法(伊藤真の条文シリーズ 4)』
http://www.koubundou.co.jp/books/pages/kbn1263.html
便利な一冊になると思われる。
しかし、商法総則、商行為、手形・小切手で500頁を超えるのは理解に苦しむ。膨大な会社法の前に、商法総則、商行為、手形小切手はコンパクトな一冊を用意するのが、予備校の役割だと「私は」思う。これでは、弥永教授執筆のリーガルマインド商法総則・商行為および手形小切手法をあわせた方が、ページ数は薄い。
ただ、あくまで辞書代わりというのであれば、適切な一冊になるかもしれない(内容の信用度は、読んだことがないので分からない)。
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# by meronpanss | 2006-09-01 12:42

佐久間修先生の刑法各論

現在、大阪大学教授の佐久間修先生の刑法各論の教科書が9月にも発売されるようです。成文堂から。
注目される1冊となることでしょう。

同じ関西では、2月に松宮孝明先生が刑法各論のテキストを出版しましたが、佐久間先生が松宮理論にどう答えているかが注目されます(個人的な注目ですが)。特に民法と刑法の関係、詐欺罪についての記述が気になります。

参考URL
成文堂ホームページ
http://www.seibundoh.co.jp/index.htm
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# by meronpanss | 2006-09-01 01:37

「学力低下」「学力格差」?

公立小中校長の9割「学力格差、将来広がる」(YOMIURI ONLINE。読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060830i301.htm

しかし、ここで言う「学力」とは何なのだろうか?
このような調査には一定の意義を有するだろうが、
「校長」のフィーリングだけで、議論を進めるのは危険であろう。

あと、正規の教育機関だけが「教育現場」というのはもはや古いのではないだろうか。
これほど塾・予備校が発達した中で、塾・予備校関係者を調査に入れないのも疑問である。

蛇足
学力格差に関連して、学力低下の問題についてコメントを。
私が考えるところ、昨今の学力低下の問題の本質は、
児童・生徒が「学校の勉強」に力を入れないところにあると考えている。
多くの児童・生徒は学校の勉強に意味がないと考えてるように思われる。

それに関連して、いわゆる「学力調査テスト」など何の意味もないと考えるべきである。
高得点をとったとしても、何らインセンティブのない試験に、力をいれる児童・生徒などいないわけである。
それゆえ、あのような試験結果をベースに議論をすするのは、全く意味がない。

学力低下の問題は、フィーリングだけで進めるのではなく、もっと視野を広めて議論を進めるべきであろう。
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# by meronpanss | 2006-08-30 13:34

講演会情報

東京での開催ではあるが。

講演・説明会 「司法制度改革の成功を担う人材たちへ
           - 活躍の場となる各界からエールを送る」
http://www.lexisnexis.jp/seminar/lsseminar/

日程 : 2006年9月22日(金)
時間 : 13:00 - 18:00
場所 : 赤坂プリンスホテル 五色1F 赤瑛 (地図)
対象 : 法科大学院卒業生、法科大学院生(先着順)
参加費 : 無料
申込方法 : お申込みフォームより
事前申込をされていない方も、当日お気軽にご参加下さい。

講演者の内容は以下。
http://www.lexisnexis.jp/seminar/lsseminar/schedule.htm

蒼々たる面々大集合である。極めて注目される。

蛇足
予算と時間に余裕があれば、こういう企画には積極的に参加するようにしている。
一方で関西ではこういう企画はない。
関東と関西、近いようで実は遠い。(関西にいると)関東の情勢など、全く分からない。
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# by meronpanss | 2006-08-29 21:10

『新司法試験の問題と解説2006』

法学セミナー編集部の担当の方から、わざわざご連絡頂いた。
早速、本日購入した。既に書店に並んでいる。

『法学セミナー増刊 新司法試験の問題と解説』(日本評論社・2006年)
http://www.nippyo.co.jp/maga_housemi2/commercial/zoukan.html

ぱらぱらと見てみたが、予想以上の内容である。
(てっきり、試験問題の論評程度のものだと思っていたが、そうではなかった)
もちろん、内容については色々意見があろう(熟読していないので、私自身の感想は避ける)。

蛇足
新司法試験問題はもっと検証されるべきである(例えば、要件事実を正面から問うたと「思われる」民事系第2問設問1)。1回目の新司法試験であり、良くない部分があるのはむしろ当然である。司法試験委員会に対しては、様々な関係者の意見を聞いた上で、よりよい問題を目指して頂きたい。
もちろん、司法試験委員会においては「譲れない線」はあると思われる。しかし、そうであるならば、積極的な情報開示を求めたい。特に、これからの受験生のために、論文試験の詳細な出題意図の開示、答案の傾向など開示されることが望ましい。
また、同時に、それぞれの法科大学院の教育内容も問われるべきであろう。「予備校では対応できない問題」だったとしても(しかし、これも検証課題である)、法科大学院教育で試験に対応できたかは別問題である。なぜなら、予備校と法科大学院は論理的択一関係ではないからであり、論理的には、予備校でも法科大学院でも対応できない問題の可能性もあるからである。
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# by meronpanss | 2006-08-28 18:58

法律時報9月号

共謀罪の批判的検討である。

法律時報9月号
http://www.nippyo.co.jp/maga_houjiho/hr0609.htm

特集=「共謀罪」を多角的・批判的に検討する

組織的な犯罪の共謀罪――本特集の趣旨 高田昭正
憲法とテロ対策立法 木下智史
「国際組織犯罪防止条約」の批准と国内法化の課題 桐山孝信
近時の組織犯罪対策立法の動向と共謀罪新設の持つ意味 海渡雄一
英米法のコンスピラシーと「組織的犯罪の共謀罪」
  ――共謀の処罰 奈良俊夫
英米法のコンスピラシーと「組織的犯罪の共謀罪」
  ――共謀の認定 小早川義則
共謀罪の新設と刑法の機能 松宮孝明
共謀罪が犯罪論に及ぼす影響 浅田和茂
共謀罪の制定と捜査・警察活動 新屋達之

蛇足
ほとんどの論稿が関西の学者によって書かれている。
共謀罪について思うのは、関東の刑事法学者のほとんどが、「だんまり」を決め込んでいる点である。関西の学者が理論面から批判を立て続けに出しているにもかかわらず、関東の学者は何も語らない。不気味である。

※ご指摘を受け、訂正しました。「刑事法学者のほとんどん」は、(私の知る限り)存在していません。
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# by meronpanss | 2006-08-28 18:39

ビラ配付事件・無罪判決

既に報道されているとおりであるが。

ビラ配布:「住居侵入」否定し無罪 東京地裁(MSN-Mainichi INTERACTIVE。毎日新聞)
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20060828k0000e040024000c.html

妥当な結論であると思われる。ポストへのビラ投函をもって、刑事罰を課すのは妥当ではないと私は考えている。
判決文を精査していないのでよく分からないが、判決は住居侵入罪の成立そのものを否定したようである(構成要件該当性そのものの否定)。

法務当局が、ビラ投函行為そのものを処罰する必要があるというならば、そのような処罰規定を刑法に設ける立法を提案すべきである。しかし、おそらくそのような立法は支持されないであろうし、例え立法府を通過したとしても、憲法上の表現の自由との観点から、裁判所で違憲と扱われるおそれがある。

それにしても・・・
今の30代から40代(前半)の検察官は、ほんとんどが予備校に通った経験があると思われるが、予備校(特にI塾)であれほど教えられた「表現の自由の優越的地位」「自己統治」「自己実現」はどこへ行ってしまったのだろうか?試験が終わった瞬間にそんな論証パターンは捨ててしまっのだろうか?実務に役に立たない論証パターンをひたすら覚えるなら、最初から「表現の自由など人権の1つに過ぎない」(判例はむしろこちら親和的?)、という論証パターンを覚えた方が、実務に役に立つのではないか?
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# by meronpanss | 2006-08-28 18:29

aikoインタビュー&blog

aiko「心の目盛りと恋の歌」|スイッチ・オン・エキサイト(SWITCH ON Excite)
http://switch.excite.co.jp/060820/interview/next/01.html

aiko「デジカメ日記 フォト・グラフィティ(photo-graffiti)」:SWITCH ON Excite
http://blog.excite.co.jp/switch-aiko/
※このblogは期間限定です。
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# by meronpanss | 2006-08-28 00:56

日本私法学会

今年は大阪市立大学で開催される。
今年のシンポジウムは極めて興味深いテーマである。

日本私法学会第70回(2006年度)大会のお知らせ(日本私法学会ホームページ)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/japl/taikai70.html

Ⅲ シンポジウム(10月9日,9時30分~17時)
(1) 「契約責任論の再構築」(責任者: 京都大学教授 潮見佳男)
(2) 「新会社法」(責任者: 東京大学教授 岩原紳作)
(3) 「遺言事由の原則と遺言の解釈」(責任者: 大阪大学教授 床谷文雄)
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# by meronpanss | 2006-08-27 00:40

ご注意下さい

「飲みかけ放置」3~4割=ペットボトル、開栓後は雑菌繁殖-業界団体調査(Yahoo!ニュース。時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060826-00000009-jij-soci
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# by meronpanss | 2006-08-26 12:40

商事法務8月25日号

注目されよう。

商事法務8月25日号(No.1775号)
http://www.shojihomu.co.jp/shojihomu/shojihomu060825.html

■日本私法学会シンポジウム資料
新会社法の意義と問題点
Ⅰ 総 論
□岩原紳作・東京大学教授
Ⅱ 定款自治の範囲の拡大と明確化
□宍戸善一・成蹊大学教授
Ⅲ 株式の多様化とその制約原理
□野村修也・中央大学教授
Ⅳ 会社の機関
□神作裕之・東京大学教授
Ⅴ 会社法と資本制度
□弥永真生・筑波大学教授
Ⅵ 組織再編
□藤田友敬・東京大学教授
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# by meronpanss | 2006-08-26 00:35

OriconStyle最新号

aikoが表紙。

oricon style 9月4日号 定価310円(税込み)
http://www.oricon.co.jp/publications/p-oriconstyle.html
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# by meronpanss | 2006-08-25 19:52

刑法学説の選択について

刑法の勉強がある程度進んでいくと、学習者の態度は2つに分かれる。
1つは、基本書(ないし予備校本)との心中パターン。すなわち、前田先生のテキストを使っている人は、どの論点についても前田先生の学説で突き進もうとする人である。
もう1つは取捨選択パターン。基本的には使用している基本書(ないし予備校本)の学説に従うが、都合の悪い部分は、他の学説を採用する。例えば西田先生の総論テキストを使っている人でも、身分犯に関しては西田説を採用するのに躊躇を覚える人はいるだろう。
(なお、刑法において全てが全て「判例の立場」で押し切る学習者は、少ないのではないか)

どちらのパターンにも理由がある。前者のパターンの人は、答案での論理矛盾を恐れるゆえに、「心中」という選択をとる(その背景には、学者は論理矛盾をしていないという前提があろう。しかし、M先生の手にかかれば、その前提も崩される)。決して楽をしたいからではないのである。論理矛盾した答案は、やはり大幅減点は避けられないから、このような選択肢も合理性がある。しかし、論理一貫性ばかりに目がいってしまい、思考の硬直化は否めないだろう。

後者のパターンの人は、自分なりに納得した上で学習を進めたいゆえにこの選択肢をとる。基本書の筆者の学説が、当該論点については、理解できない、納得できない場合に、基本書と違う説を採用したくなる。「自分の頭で考える」という意味ではいいと思われるし、答案にも「自分の頭で考えた」形跡が出るので、答案の厚みが増すだろう。しかし、ある論点について、他の学説を入れてしまった結果、自分の体系に論理矛盾を引き起こす可能性はある。例えば、前田先生のテキストを使っている人が、Aという論点について前田説を採用しながら、Bという論点については前田説ではなく団藤説を採用した場合、AとBの論点が複合した問題が出題された場合、論理矛盾を引き起こす危険がある。

立命館刑事法のM先生は、基本書との心中を決して薦める方ではない(だろう)。全て自説を採用しない限り、学習者としては認めない姿勢ではなかろう。しかし一方で、いつの日か私に「学説のつまみ食いはご都合主義でダメ」ともおっしゃっていた。

この問題は「体系性」と「問題解決」の両者のバランスの問題に突き進むであろう。両者のバランスは極めて難しいところである。
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# by meronpanss | 2006-08-25 19:44

ジュリスト1318号

これが注目の特集である。

ジュリスト 2006.9.1号(No.1318) 定価1700円
http://www.yuhikaku.co.jp/jurist/index.html

【特集2】契約責任論の再構築(2006年日本私法学会シンポジウム資料)
総論――契約責任論の現状と課題●潮見佳男
契約の拘束力と契約責任論の展開●山本敬三
履行請求権●窪田充見
債務不履行の帰責事由●小粥太郎
損害賠償責任の効果――賠償範囲の確定法理●潮見佳男
履行障害を理由とする解除と危険負担●松岡久和

蛇足
民法理論も当然進化を遂げているが、実務には影響を及ぼしていないように思える。
これは司法研修所の教育と関係していよう。司法研修所は我妻理論をベースにしているからである。
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# by meronpanss | 2006-08-25 19:01