NOMIKA物権法の訂正

新鋭若手による一冊があります。

松尾弘・古積健三郎=著『物権法』(弘文堂NOMIKAシリーズ 2)
http://www.koubundou.co.jp/books/pages/kbn0972.html

訂正表が出ました。お持ちの方はご参照下さい。

NOMIKA物権法(初版1刷。平成17年12月30日刊) 訂正表
http://www.koubundou.co.jp/books/furoku/kbn972sub_seigohyo.html

学部時代、私は古積先生の物権法を聴講しました。鋭い分析が光っていたのが記憶にあります。ただ、時間の関係で(先生のご専門の)集合譲渡担保あたりの解説がなかったのが残念ですが(ほとんどの物権法の講義は、譲渡担保に割ける時間がほとんどないようです)。
[PR]
# by meronpanss | 2006-11-15 13:22

学説の選択

shoyaさんのblogより。

【刑法】 相当因果関係説についての覚書・その1(教えるとは希望を語ること 学ぶとは誠実を胸に刻むこと)
http://etc-etc-etc.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_ef8a.html

国家試験や期末試験レベルでは、論理的にありえない説を除いて、どの学説をとろうが、受験者の自由だと私は考えます。
刑法の因果関係論の場合、客観的相当因果関係説を採用するか、折衷的相当因果関係説を採用するかで点数が変わることはないでしょう。

ただ、ある説を採用する場合、その説を、理由付けと共に正しく説明しているテキスト(基本書がベターでしょう)を参照することは必須だと考えます。
誤った定義、(本当は)理由付けにならない理由付け、反論になっていない反論を書くのでは、減点は避けられないような気がします。
要は説明の正確さ、が問われているのだと考えます。もちろん、基本書の文言を一言一句覚える必要はないと思いますが。
[PR]
# by meronpanss | 2006-11-13 15:53

まもなく発売

勉強を始めたい人は、即座にご予約を。

新会社法100問 【第2版】
会社法立案担当者の会 (著), 葉玉 匡美 (編集)
(ダイヤモンド社)
ISBN:4478100284
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4478100284/sr=8-1/qid=1163399266/ref=sr_1_1/250-5287451-5173855?ie=UTF8&s=books
[PR]
# by meronpanss | 2006-11-13 15:30

譲渡担保に関する最新判例

当blogで紹介するのを忘れていました。

事件番号 平成16(受)1641
事件名 第三者異議事件
裁判年月日 平成18年10月20日
法廷名 最高裁判所第二小法廷
裁判種別 判決
結果 棄却

判示事項
裁判要旨 不動産を目的とする譲渡担保において,被担保債権の弁済期後に譲渡担保権者の債権者が目的不動産を差し押さえたときは,設定者は,差押登記後に債務の全額を弁済しても,第三者異議の訴えにより強制執行の不許を求めることはできない
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20061020143507.pdf

裁判所Watchによる紹介
http://kanz.jp/hanrei/detail.html?idx=979
[PR]
# by meronpanss | 2006-11-11 22:09

訴因変更の要否の問題

このblogで、何度も取り上げている訴因変更の要否の問題について、再び考えてみたいと思います。

一般的な論証は、訴因制度の趣旨を踏まえた上で、具体的防御説を批判し、抽象的防御説を採用、するというものです。

しかし、最高裁の立場は、次の判例に現れています。
最決平成13年4月11日刑集55・3・127判時1748・175LEX/DB28065112
「次に,実行行為者につき第1審判決が訴因変更手続を経ずに訴因と異なる認定をしたことに違法はないかについて検討する。訴因と認定事実とを対比すると,前記のとおり,犯行の態様と結果に実質的な差異がない上,共謀をした共犯者の範囲にも変わりはなく,そのうちのだれが実行行為者であるかという点が異なるのみである。そもそも,殺人罪の共同正犯の訴因としては,その実行行為者がだれであるかが明示されていないからといって,それだけで直ちに訴因の記載として罪となるべき事実の特定に欠けるものとはいえないと考えられるから,訴因において実行行為者が明示された場合にそれと異なる認定をするとしても,審判対象の画定という見地からは,訴因変更が必要となるとはいえないものと解される。とはいえ,実行行為者がだれであるかは,一般的に,被告人の防御にとって重要な事項であるから,当該訴因の成否について争いがある場合等においては,争点の明確化などのため,検察官において実行行為者を明示するのが望ましいということができ,検察官が訴因においてその実行行為者の明示をした以上,判決においてそれと実質的に異なる認定をするには,原則として,訴因変更手続を要するものと解するのが相当である。しかしながら,実行行為者の明示は,前記のとおり訴因の記載として不可欠な事項ではないから,少なくとも,被告人の防御の具体的な状況等の審理の経過に照らし,被告人に不意打ちを与えるものではないと認められ,かつ,判決で認定される事実が訴因に記載された事実と比べて被告人にとってより不利益であるとはいえない場合には,例外的に,訴因変更手続を経ることなく訴因と異なる実行行為者を認定することも違法ではないものと解すべきである」

この決定について、大阪大学の水谷規男教授が平成13年決定について、次のようなコメントを最近されました。
「もっとも、この決定(平成13年決定)が登場したからといって、判例が訴因変更の要否について、抽象的防御説自体を排した、と見るのは間違いだと思います。罪となるべき事実の認定のために必要な事項については、具体的防御説ではなく、抽象的防御の不利益を考慮する姿勢があると考えられるからです(カッコ内省略)。つまり、この決定の射程は、罪となるべき事実の明示の観点から必ずしも必要でないディテールを検察官か゛訴因に記載しても、それと異なる事実を認定することが被告人にとって具体的な不利益をもたらさない限り、訴因変更は不要だといっているに過ぎず、訴因変更の要否の一般に及ぶものではない、ということです」(水谷規男「疑問解消刑事訴訟法12 訴因変更」法学セミナー624号98頁)。

平成13年決定をもって、抽象的防御説の考え方を全て排した、と考えるのは確かに妥当ではありません。その点の指摘はその通りだと思います。

しかし、水谷教授の説明には、次のような疑問があります。
それは、そもそも最高裁判所は、学説の言うような抽象的防御説を採用していたのか、ということです。
これに対しては、旧来から疑問が呈されてきたところです。
現に、抽象的防御説では説明ができない判例も存在しています。

そもそも、抽象的防御説と具体的防御説を対立概念でとらえること自体が、妥当ではないように思われます。
なぜなら、平成13年決定を素直に読めば、

訴因の特定に必要な事実の変更→常に訴因変更必要(抽象的防御の考え方)
訴因の特定に不要ではあるが、検察官が訴因に記載した事実の変更→審理の経過を考慮して、具体的な防御の不利益がないかで要否を判断(具体的防御の考え方)

というように、抽象的防御の観点と、具体的防御の観点は登場局面が異なっているわけで、両者を対立概念として考えること自体に疑問を感じます。

平成13年決定は、これまで明示されなかった判例の考え方を、具体的に明示したところにその意義があると考えられます。その意味で平成13年決定は、「今後の指針となる明確な基準を示した判例」(後掲・井上103頁)と理解するのが適切であり、水谷教授のように射程を狭く解するのは、判例の理解として疑問です。

参考文献
井上弘通「訴因の変更と要否-共同正犯の実行行為者」刑事訴訟法判例百選[第8版]102-103頁
大澤裕「訴因の機能と訴因変更の要否」法学教室256号28頁以下
[PR]
# by meronpanss | 2006-11-11 15:42

自分の間違いに気がつくと言うこと

米大統領、13日超党派会合へ イラク政策見直しの一環(asahi-com。朝日新聞)
http://www.asahi.com/international/update/1111/009.html

いよいよ、という感じであります。
物事の誤りを自分で認めることが、いかに大切なことか。
自分の誤りに気がつき、修正することがどれだけ自分にとって大切なことか。
自戒も込めて、刻みたいと思います。
[PR]
# by meronpanss | 2006-11-11 14:48

平成19年度・新司法試験日程等

こちらの文書の方が分かりやすいです。

平成19年新司法試験の実施について・実施日程
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/SHINSHIHOU/h19-01jisshi.pdf

成績通知
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/SHINSHIHOU/h19-02jisshi.pdf

いずれも法務省ホームページからです。pdfです。
[PR]
# by meronpanss | 2006-11-11 03:58

平成18年度旧司法試験・出題趣旨

こっちはいたってシンプルになってしまいました。
旧試験にも相当数の受験生がおり、かつ、法科大学院生や新試験受験生も注視しているのですから、もっと詳細化して頂ければありがたいです。

平成18年度旧司法試験第二次試験論文式試験問題と出題趣旨(法務省ホームページ)
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/18syushi-kohyo.html
[PR]
# by meronpanss | 2006-11-11 03:41

コメントに対する返信

本blogに対して、いくつかコメントを頂いておりますが、返信できずに申し訳ありません。

破産法の民法のトピックでは、ジュリスト記事の情報提供を頂きました。ありがとうございました。
刑事訴訟法関係のトピックについて、理解できた、等の感謝のコメントを頂いた点には、うれしく思います。

以上をもって、コメントへの返信とさせていただきます。
[PR]
# by meronpanss | 2006-11-11 00:16

自動車一斉検問の法的根拠?

今日は交通の取り締まりを目的とした自動車一斉検問の法的根拠について、考えてみたいと思います。

この問題についての最高裁判例は、次のように言います。
最決S55・9・22刑集34・5・272LEX/DB27682295(刑事訴訟法判例百選8版・5事件)
「職権によつて本件自動車検問の適否について判断する。警察法二条一項が「交通の取締」を警察の責務として定めていることに照らすと、交通の安全及び交通秩序の維持などに必要な警察の諸活動は、強制力を伴わない任意手段による限り、一般的に許容されるべきものであるが、それが国民の権利、自由の干渉にわたるおそれのある事項にかかわる場合には、任意手段によるからといつて無制限に許されるべきものでないことも同条二項及び警察官職務執行法一条などの趣旨にかんがみ明らかである。しかしながら、自動車の運転者は、公道において自動車を利用することを許されていることに伴う当然の負担として、合理的に必要な限度で行われる交通の取締に協力すべきものであること、その他現時における交通違反、交通事故の状況などをも考慮すると、警察官が、交通取締の一環として交通違反の多発する地域等の適当な場所において、交通違反の予防、検挙のための自動車検問を実施し、同所を通過する自動車に対して走行の外観上の不審な点の有無にかかわりなく短時分の停止を求めて、運転者などに対し必要な事項についての質問などをすることは、それが相手方の任意の協力を求める形で行われ、自動車の利用者の自由を不当に制約することにならない方法、態様で行われる限り、適法なものと解すべきである」

学生の間で比較的使われている教科書は、次のように説明をしています。
「最決昭55・9・22刑集34-5-272は、『警察法2条1項が、「交通の取締」を警察の責務として定めていること』を検問の根拠法条としてあげる。しかし、組織法たる警察法から具体的な『検問』権限まで導きうるのかについて疑問が残る」(白取祐司『刑事訴訟法[第3版]』(日本評論社・2004年)100頁)
→判例は自動車一斉検問の根拠を、警察法2条に求めていると説明した上で、それを批判する論調です。このような理解をしている人が多いでしょう。

ところが、このような理解には、次のような疑問が当然に生じることでしょう。
「おおかたの論者は、この冒頭説示部分(前掲昭和55年決定が、「警察法2条1項が、『交通の取締』を警察の責務として定めていること」の部分-Gak補足)について、自動車検問の根拠に関するいわゆる『警察法2条説』を採用したともの論評しているが、ほかならぬ最高裁判所が、組織規範と根拠規範という行政法学の基本的区別を知らぬとは考え難い。そのような理解(自動車一斉検問の根拠を警察法2条に求めたという理解-Gak補足)は疑問であろう」(酒巻匡「行政警察活動と捜査(2)」法学教室286号57頁)

では、最高裁判所は自動車一斉検問の法的根拠についてどのように考えているのでしょうか。

それについては、次の説明が参考になります。
「この判例(昭和55年決定)の結論部分は次のようにいう。
 『警察官が、交通取締の一環として交通違反の多発する地域等の適当な場所において、交通違反の予防、検挙のための自動車検問を実施し、同所を通過する自動車に対して走行の外観上の不審な点の有無にかかわりなく短時分の停止を求めて、運転者などに対し必要な事項についての質問などをすることは、それが相手方の任意の協力を求める形で行われ、自動車の利用者の自由を不当に制約することにならない方法、態様で行われる限り、適法なものと解すべきである』
 前期のとおり、筆者の考えに依れば、ここに示された方法、態様での検問については、侵害留保原則との関係で特別の法律の根拠規定は不要である。逆に、停止させるための運転者への働きかけや質問の方法、態様が『相手方の任意の協力を求める形』を超えれば、法律上の根拠規定がない以上、それは違法なものというべきである」(前掲・酒巻57頁)

要するに、行政法の「侵害留保」原則から物事を考えるべきであるとするのです。その結果、警察官が単に停車を求め、運転者に短時間の質問をすることは、それが相手方の任意の協力を求める形であれば、特別の法的根拠は不要ということになるのです。

おそらく、実務は行政活動の法的根拠の範囲について、「侵害留保説」(国民の権利自由を権力的に侵害する行政についてのみ法律の授権を要する、との考え方。参考・芝池義一『行政法総論講義[第4版]』(有斐閣・2001年)45頁)を採用していると思われます。そうなると、国民の法益(権利自由)の侵害がない、またはそれが軽微な場合の行政活動には、法的根拠が不要との帰結になると理解するのが自然でしょう。

以上を踏まえれば、最高裁判例の理解として、本件のような形態の自動車一斉検問については、特別の法的根拠を不要と解した、とするのが妥当でしょう。その意味で、酒巻教授の説明が、最高裁の立場を的確に示したものとと思われます。

それでは、決定か「警察法2条1項」に触れているのはどういう意味を持つのでしょうか。
この点についても、酒巻教授の説明を引用したいと思います。

「ここ(昭和55年決定)に説かれているのは、警察の責務(警察法2条1項)の範囲内でのみ許容される警察活動が比例原則に従わなければならないとの当然の事柄にすぎず、その前提として、この事案で問題となった一斉交通検問が、警察の責務である『交通の取締』目的の範囲内の活動であることを確認しているにとどまると読むべきである」(前掲・酒巻57頁)

※酒巻教授と同旨の説明として、長沼範良ほか『演習刑事訴訟法』(有斐閣・2005年)52頁以下〔佐藤隆之〕があります。
[PR]
# by meronpanss | 2006-11-10 19:18

平成19年度新司法試験・続報

科目別はこれで大体分かります。

平成19年度新司法試験考査委員推薦候補者名簿
http://www.moj.go.jp/SHINGI/SHIHOU/061005-3.pdf

次年度の試験日程はこちら

平成19年度新司法試験実施予定表
http://www.moj.go.jp/SHINGI/SHIHOU/060920-5.pdf

いずれも法務省ホームページ。
[PR]
# by meronpanss | 2006-11-10 13:20

出ました!

行政法の入門書として。行政法のまとめとして。
第3版が出版。

北村和生=佐伯彰洋=佐藤英世=高橋明男『行政法の基本[第3版]』(法律文化社・2006年)
http://www.hou-bun.co.jp/Mokuroku/hon/ISBN4-589-02990-1.html

北村和生先生執筆部分(行政行為と国家賠償法)、大変分かりやすいです。
[PR]
# by meronpanss | 2006-11-08 20:03

次年度以降の新司法試験考査委員

人数が増えます。

官報
http://kanpou.npb.go.jp/20061107/20061107h04458/20061107h044580010f.html

情報はshoyaさんのホームページから。
ネームを見る限り、意外感はありません。
個人的には、家族法がご専門の水野紀子先生が試験委員になっている(おそらくは民法の委員)のは、気にかかります。
[PR]
# by meronpanss | 2006-11-07 20:46

ついに

内田貴『民法2』・前田雅英『刑法各論講義』改訂のお知らせ(東京大学出版会ホームページより)
http://www.utp.or.jp/topics/2006/11/04/aeaaauoieuaaainoeaeiaouauthauiaie/

未だシェア衰えずの2冊だと思います。手元においておきたい本であることには変わりがありません。
[PR]
# by meronpanss | 2006-11-05 17:03

11月

気がつけば11月になりました。
風邪をひいておられる方が多いようです。お大事になさって下さい。
今は大丈夫な人も油断は禁物です。うがい・手洗いを欠かさないことで、風邪を防いでいきましょう。
[PR]
# by meronpanss | 2006-11-05 02:21

新会社法100問・第2版

ついに出ます。受験等の近い方は予約されることをおすすめします。

100問2版の配本日&新企画発表(会社法であそぼ。)
http://kaishahou.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_266d.html

Amazonでの案内。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4478100284/sr=8-1/qid=1162620062/ref=sr_1_1/250-1625487-5174615?ie=UTF8&s=books

PS
ときたま、「百問の解答例は(長すぎて)使えない」という声を耳にします。
この点については、葉玉さんが次のようなコメントをされています。

代表取締役の就任・退任(会社法であそぼ。)
http://kaishahou.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_82e3.html

「・・受験生が1時間で仕上げた実践的な答案例は、ちっとも実践的ではありません。実践的というのは、自分が本試験を受けたときに役に立つことをいいます。人は、それぞれ自分の言葉を持っているので、ある人が1時間で仕上げた実践的な答案例を勉強して、自分でそれを再現しようと思っても、せいぜいその80%程度の内容しか再現することができず、それでは、合格しません(そもそも、知識が不十分な読者が、短い表現を読んでも、その短い表現がどのような意図で使われているかを理解することはできません)。
 長い答案を理解しながら、自分で短くする努力をして、はじめて自分の言葉・自分の表現で、100%の内容を書くことができるのです。
 また、本試験で、過去問とまったく同じ問題が出ることは、きわめて稀です。必ずひねりがあり、そのひねりによって、答案は、ぜんぜん違う答案になります。
 過去問は、素材であり、それをもとに、いろいろな応用的な問題について準備しておくことが、真の実践的な勉強です。
 解答例を使った勉強というのは、解答例を暗記することではありません。
 解答例を使って、自分の論述スタイルを確立することが重要です。
 だから、私の教育方針として、短い答案は、絶対に出しません」

要するに、解答例を暗記する「だけ」では意味がないとのことです。その通りだと思います。
[PR]
# by meronpanss | 2006-11-04 15:07

弘文堂ホームページから

弘文堂ホームページから。

LIVE本・民事訴訟法でもおなじみのこの方による一冊。
和田吉弘『基礎からわかる民事執行法・民事保全法』
http://www.koubundou.co.jp/books/pages/kbn2278.html

新司法試験レベルでは、この本1冊で必要十分かもしれません。

次の本は判例学習に有益だと思われます。
伊藤真=監修/伊藤塾=著『民法 (伊藤真の判例シリーズ 2)』
http://www.koubundou.co.jp/books/pages/kbn1352.html

このシリーズはすでに憲法バージョンが出ており(さすが伊藤塾)、周囲でもっているひとはかなりおりますが、ユーザーの評判は概してよかったと思います。
[PR]
# by meronpanss | 2006-11-02 00:02

必要性・緊急性・相当性?

最決S51・3・16刑集30・2・187LEX/DB24005402(百選1事件)
「捜査において強制手段を用いることは、法律の根拠規定がある場合に限り許容されるものである。しかしながら、ここにいう強制手段とは、有形力の行使を伴う手段を意味するものではなく、個人の意思を制圧し、身体、住居、財産等に制約を加えて強制的に捜査目的を実現する行為など、特別の根拠規定がなければ許容することが相当でない手段を意味するものであつて、右の程度に至らない有形力の行使は、任意捜査においても許容される場合があるといわなければならない。ただ、強制手段にあたらない有形力の行使であつても、何らかの法益を侵害し又は侵害するおそれがあるのであるから、状況のいかんを問わず常に許容されるものと解するのは相当でなく、必要性、緊急性なども考慮したうえ、具体的状況のもとで相当と認められる限度において許容されるものと解すべきである」
→一般に「必要性・緊急性・相当性」の3要件と言われることがあります。

だが、しかし。
次の記述があります。

酒巻匡「捜査に対する法的規律の構造(2)」法学教室284号67頁
「なお、実行され手段・方法・態様そのものの『相当性(いわゆる社会通念上相当かがとうか)』を独立の判断基準として分析も可能と思われるが、裁判所の行う適否の判断過程をできる限り客観的に顕在化することが望ましいという観点からは、ある捜査手段・方法により侵害された法益を出来る限り具体的に析出することにより、これを当該手段を実施する必要性・緊急性の程度との比較衡量に帰着させることが可能であり、『相当性』は合理的権衡が認められるという結論の表示であると位置付け理解しておくのが適切だと思われる」

長沼範良ほか『演習刑事訴訟法』(有斐閣・2005年)58頁〔酒巻匡〕
「『任意』捜査は第一次的には捜査機関限りの判断と裁量で実施できる(197条1項本文)。それが限界を超えたかどうかは、具体的事案の必要性・緊急性と侵害される法益との衡量の結果『相当』かどうかで決まる」

→相当性は結論を示すものであって、要件ではないとの理解です。

要は、任意捜査の限界を判断するにあたっては、
「捜査手法を用いる必要性とそれによって制約される利益とを比較考量し、相当と認められる」(長沼範良『演習刑事訴訟法』(有斐閣・2005年)180頁〔大澤裕〕)
か否かを判断すれば足りるということでしょう。

必要性・緊急性・相当性を3要件と理解すれば
必要性+緊急性+相当性=適法な任意捜査
との判断枠組みとなります。

一方、酒巻教授らの理解によれば、
捜査の必要性・緊急性と制約される権利・利益を比較考量の結果、前者が優越=相当な任意捜査=適法な任意捜査
との判断枠組みとなります。

前掲の昭和51年決定も、あてはめ段階で、相当であったか否かを端的に判断している点からすれば、酒巻教授らの見解は説得力を有すると言えると思われます。

※もちろん、任意捜査の限界を考えるに当たっては、その捜査活動が任意捜査にあたる(強制捜査にあたらない)ことを画定する必要があります。問題となっている捜査活動が強制捜査に該当すれば、比較考量は問題なりません
[PR]
# by meronpanss | 2006-10-31 23:22

破産法改正と民法理論

実は関係することもあります。

内田貴『民法Ⅲ 債権総論・担保物権』(東京大学出版会・2006年)312頁
「改正破産法は、一部の債権者に対する優先的な弁済行為(偏頗行為と呼ばれる)につき、支払不能に陥る前は否認の対象にしないとしていない(破産162条)。支払不能とは、債務者が支払能力の欠乏のために弁済期にある債務を一般的かつ継続的に弁済できない状態(破産2条11項)であり、破産手続の開始原因である(破産15条)。弁済行為について、破産の局面で機能する否認権より債権者取消権による取消しが広く認められるというのはバランスを失する。そこで、破産法との整合性を考慮し、弁済期にある債務の弁済行為は詐害行為に当たらないと解するのが妥当ではないかと思われる(弁済の効果を否定したければ破産手続によるべきである)」

その他、森田修『債権回収法講義』(有斐閣・2006年)61頁以下、潮見佳男『法律学の森 債権総論Ⅱ[第3版]』(信山社・2005年)144頁も参照して下さい。

「本旨弁済に対して、詐害行為取消権の行使を認めているのが判例の立場である」という選択肢があれば、マルになるでしょうが、詐害行為取消権認めたケースは極限的な場合であることも忘れてはならないと考えます。

破産法との整合性を考えれば、内田教授の見解も一理ありますが、私自身は結論を留保しています。
[PR]
# by meronpanss | 2006-10-28 15:35

最上階では

こんなメニューが。

Tawawa二条店 デザートバイキング
http://www.kyoyasai.co.jp/tawawa/rest_nijo_dessert.html

思い切って男1人で行ってみようかと思ったり。
[PR]
# by meronpanss | 2006-10-28 14:12