将来発生する蓋然性のある犯罪に基づく捜索・差押令状?

考えさせられた問題。

酒巻匡「令状による捜索・差押え(1)」法学教室293号82頁
「令状裁判官による捜索・差押えの『理由』および『必要性』の審査は、前期のとおり蓋然性の評価判断であるから、処分が実行される時点における犯罪の存在とこれに関連する証拠物等の存在の蓋然性が、具体的な資料に基づいて判断可能である限り、そして、それに基づき個別具体的な対象を令状に特定・明示することが可能である限り、当該犯罪事実が令状請求・発付時点以前の過去の事象であることは、必ずしも絶対的な条件ではないと考えられる。過去の事象であれ将来の事象であれ、令状裁判官の審査が処分実行時点を見越した蓋然性判断であるという点では異なるところがないからである。
 例えば、適法な『おとり捜査』の実行過程で(法197条1項に基づく任意捜査として適法な『おとり捜査』があり得ることについては、最決平成16・7・12判時1869・133参照)、将来の特定日時・場所において標的とされた薬物取引の実行行為がなされることが、高度の蓋然性をもって予期できる場合に、あらかじめ取引予定の場所と差押えが見込まれる薬物等を特定・明示した捜索・差押許可状を発付することは、理論上は、可能であると思われる」

将来の犯罪とそれに伴う捜索・差押えは、逮捕に伴う令状によらない捜索・差押え(220条)でカバーできる場合がほとんどでありましょうが、それでもカバーできない場合があるように思われます。その意味で、このような問題について考えておくことは有益だと思います。
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by meronpanss | 2006-12-27 06:11
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