商法の判例学習には、以下の本が便利である。
山下友信=神田秀樹編『商法判例集』(有斐閣、2004年) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4641133778/qid=1108987218/sr=1-5/ref=sr_1_10_5/249-1278056-1521966 ちなみに、執筆陣は、 井上健一(武蔵大学)、笠原武朗(九州大学)、神作裕之(東京大学)、黒沼悦郎(早稲田大学)、榊素寛(神戸大学)、清水真希子(東京都立大学)、高橋美加(北海道大学)、藤田友敬(東京大学)、松井秀征(立教大学)、森田果(東北大学)、山本哲生(北海道大学) と、東大出身者で占められている(敬称略)。 もちろん、LSの演習科目では、この本では足りない。 (全文を読む必要がある。また、民集や調査官解説にあたる必要があろう) ただ、商法の判例を一通り学ぼうとするときは、やはり便利である。 百選には解説がついているが、この本には突っ込んだ解説はない。しかし、かねてから百選の解説は不要との声が強いので、なくても困ることはないだろう。むしろ、ない方がよいかもしれない。 ただ、読んでいて、東大出身者が執筆陣であることを感じさせてくれる場面も。 例えば、手形法の判例の参考文献が前田庸先生の本ばかり。二段階創造説を排斥するつもりはないが、交付契約説に立つ本も挙げて欲しいもの。現在の学習者の多くは、交付契約説にたっているのだから。 また、後者の抗弁のところなんか、ほとんどが東大出身の学者の文献。木内先生などの文献もあるのだから、挙げていて欲しい。 司法試験受験界をはじめ、現在では交付契約+権利外観理論が圧倒的通説だが、東大は違うのだろうか?未だに二段階創造説ベースが主流なのだろうか? 現在の東大の先生が、手形法の本を書かないので、よく分からないところである。 (今の東大では、誰が手形法を教えているのだろうか?) ちなみに、ちょっと前に、東大出身の商法の先生から、 「鈴木・前田ラインが東大の手形法の主流と思われては困る」 との指摘を頂いたこともある。 また、なぜかこの本は、誰がどの部分を執筆担当したか書かれていない。連帯責任か?
by meronpanss
| 2005-02-21 21:06
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